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最高裁判所第二小法廷 昭和39年(オ)1390号 判決 1968年3月15日

上告人 横山茂樹

被上告人 国

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人諫山博、同谷川宮太郎、同立木豊地、同三浦久、同田代博之、同清源敏孝、同佐伯静治、同彦坂敏尚、同藤本正、同野田宗典、同坂本泰良、同宮原守男の上告理由について。

裁判官のなす職務上の行為について、一般に国家賠償法の適用があることは所論のとおりであつて、裁判官の行う裁判についても、その本質に由来する制約はあるが、同法の適用が当然排除されるものではない。しかしながら、原判決(引用の第一審判決を含む。以下同じ)が当事者間に争いのない事実として確定するところによれば、原告(上告人)は所論決定に対し、福岡高等裁判所に抗告し、抗告棄却の決定を受け、さらに最高裁判所に特別抗告をしたが右抗告も棄却されて、前記決定が確定するに至つたというのであるから、他に特段の事情のない限り、右裁判官のした所論の行為には何らの違法もなかつたものと解するのが相当である。されば、上告人の主張する事実がすべて真実に合致するとしても、被上告人に同条一項の責任を生ずるものではないから、上告人の本訴請求は(それ自体失当である。原判決には、同法の解釈適用について誤りがあるが、原判決が結論において上告人の請求を容れなかつたのは正当といわなければならない。本件上告は、結局、理由がない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判官 奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)

上告理由<省略>

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